バスのブログ

バスと言っても、ブラックバスではありません。走るバスです。

バス業界の女性活用について

本業が忙しく、なかなか更新できない日々が続きました。

まあ、忙しいというのはありがたい事ですが。。。

 

さて、今回はバス業界における女性の活用についてです。

 

今や、女性は各業界・事業者において欠かせない戦力です。

女性が活躍できるよう、様々な工夫や取り組みが各所で行われていますよね。

 

ではバス業界に関してはどうでしょうか?

少し考えてみたいと思います。

 

まず、バス事業者における女性社員というと、事務員や観光バスガイドなどが思い浮かびます。

特に観光バスガイドは男性ではなかなか務まらない仕事ですよね。女性ならではの華やかさや優しさ、柔らかさが必須です。

飛行機のCAは、男性スタッフが増えてきましたし、海外では男性のCAが当たり前ですが、バスガイドというとなかなか男性が踏み込みにくい領域ではあります。

はとバスなどが、スタイリッシュなイメージの男性バスガイドを採用していますが)

 

以前に比べて変化が生じているのは、女性バス運転手です。

 

大型のバスを一人で運転するバス運転手という仕事において、昔は女性運転手は皆無の状態でした。

が、90年代後半位から女性の運転手が各所で活躍を始めています。

現在では、全国で1500人以上の女性が活躍していると言われ、まだまだすくないものの珍しい存在ではなくなりつつあります。

 

余談ですが、前職で都営バスの第一号女性運転手にお話を聞く機会がありました。

当時は女性ならではの悩みなどが多く、大変だったとの事。

何事においても生みの苦しみというのは、つきまとうもので・・・。

 

 

 

さて、この女性運転手の活用は、極度の人材不足に陥っているバス業界において、一筋の光でもあります。

何せ、ゼロからイチになるほど大きな前進はないわけです。

 

まず、心配されるのは大型のバスを操る事が出来るのかという疑問ですが、最新のバスにおいては問題ありません。

昔は重労働だった大きなハンドルの操作も現在はパワステにより殆ど力はいりません。

それにミッション操作も、電子制御で力いらず。オートマの普及も進んでいます。

バックモニターやABS、警報装置などの安全装備も次々に導入され、まったく問題なく操れるようになっています。

 

あと、女性というと休憩室やトイレなどの問題もありますが、女性専用休憩室の導入など、各事業者において対策が進められており、その対策が進んでいる事業者ほど、女性運転手の活躍が目立つ状況が生まれています。

 

これは、バス事業者だけの問題ではありませんが、産休制度が利用できる環境なども大事ですよね。

ある事業者では、産休制度はもちろん、社内に託児所を設けている所も。

また、結婚を機に退職した女性運転手を短時間社員として再雇用する制度など、現場において様々な工夫がされているのが現状です。

 

私がなにより素晴らしいと思うのは、女性運転手自身が仕事に誇りをもって、明るく前向きに乗務に就いている方が多いという事。

取材などで何人もの女性運転手と交流しましたが、皆明るく好感の持てる方が多かったです。

(もちろん、取材を受ける方という事で事業者側がある程度選んでいるという部分もあるのですが・・・ね)

 

 

印象的だったのが、元々パン職人だった方が観光バスのカッコよさに憧れて、全く異業種のバス運転手に転職したという同い年の運転手。

底抜けに明るいキャラクターは、営業所内のムードメーカーでもあり、同僚運転手やお客様からの指示も絶大でした。

 

女性運転手って、常務においてもメリットが多いのですよね。

女性ならではの気配り、丁寧なアナウンス、そして優しいブレーキ。

特に地方路線においては、お年寄りの乗車が多い事もあり、彼女の優しい対応はすこぶる好評でした。

 

また、若い世代の女性運転手も増えてきています。

休みにはスノボに行ったり、SNSを駆使する”いわゆる今時の女の子”が、真剣なまなざしでバスを運転する様子を見た時には、何かバス業界に新しい時代が来たような嬉しい気持ちになったものです。

 

 

もちろん、この先女性運転手が増えていく中で新たな課題も生まれてくると思います。

運転手のキャリアアップ問題と共に、女性幹部の登用なども必要不可欠ですし、抜本的な改革が必要な状況下において、更なる制度構築などを要すことでしょう。

 

が、ここに取り組める事業者がこの先事業者が淘汰されていく中でも、生き残っていくのではないかと個人的には思っています。

 

 

まず、現在女性運転手を抱えていないバス事業者は、なぜいないのかを考える事。

理由は簡単で、対策をすれば自ずと女性運転手は生まれます。

そして、女性運転手のいないバス事業者はそれ以外の部分においても対策が遅れている可能性が高いともいえます。

 

この人材不足がつづく深刻な状況下、ここに取り組まない手はありません。

 

バス運転手専門の求人サイト「どらなび」の女性社長が代表理事を務める一般社団法人 女性バス運転手協会の取り組みは非常に参考になります。

良かったら一度HPを除いてみてください。

wbd.or.jp

※あ、別に宣伝ではありません。個人的に良い取り組みだと感じている為、ご紹介します。